年上の男性とお付き合いをしてお手当をもらうパパ活。
ちょっとしたお小遣い稼ぎとして利用している女性も多いと思いますが、金銭のやり取りがある以上は税金とも無縁ではありません。
そんなパパ活と税金の関係について解説します。
パパ活に関係する税金は主に3つ
贈与税
贈与税とは、誰かが誰かに対して財産を与えた際にかかる税金です。
プレゼントやお小遣いの場合がこれにあたります。
現金だけではなくアクセサリーや服、車や住宅なども対象となるのがポイントです。
基本的に年間で110万円以上の贈与があった場合に税金がかかります。
所得税
所得税は会社から受け取る給料や、商売で得た収入などがあたります。
パパ活の場合、プレゼントは贈与税の対象となりますが、お手当の部分が贈与税なのか、所得税の対象となるかは解釈の分かれるところです。
たとえばパパが好意で毎月お小遣いをあげているという場合には贈与税、デートなどのサービスをした対価としてお手当をもらっている、そういう契約が存在しているといった場合には、所得税の対象という解釈になります。
住民税
住民税は自身が暮らしている自治体に対して支払う税金です。収入がある場合にかかり、通常は所得の10%です。
国税である所得税とは違って地方税に分類されます。
パパ活のどんなお金にどんな税金がかかる?
お手当(現金の場合)
パパ活の多くの場合、お手当は現金で直接貰うことになると思います。
現金の受け取りには報酬として貰っているか、贈り物として貰っているかで税法上の解釈が変わりますが、パパとデートなどのお付き合いをしてお小遣いのような形で貰っている場合には、贈り物と考えて贈与税の対象となるケースが多いでしょう。
贈与税は年間で110万円までは控除されますが、それを超えると税金がかかります。
パパからの贈り物(アクセサリー・ブランド品など)
パパ活をしていると、お手当以外にもアクセサリーやブランドのバッグ、洋服などをもらう機会も多いでしょう。
さらに高額なものでは自動車やマンションなどもあるかもしれません。
こうした物品の贈り物も贈与税の対象となります。
物品の贈与の場合、その価値は原則的に時価で計算されます。
新品であればその時の定価、中古品などであれば贈与した時点での時価で評価されます。
給与や報酬として貰っているケース
パパ活の形態によっては、秘書やコンサルタントといった立場で業務もこなしつつ、お付き合いもするといったケースもあります。
その場合にお手当は社員やアルバイト、あるいは個人事業主として報酬または給料といった形で受け取ることになることも多いですが、これは贈与ではなく所得税の対象として解釈されます。
社員として源泉徴収などもされていなければ、確定申告をする必要があります。
パパ活をしていて税務調査を受けた事例を紹介
パパ活は現金渡しなので、税務署にバレることはないと思われがちですが、実際には税務調査に入られているケースも少なくありません。
その場合、マッチングアプリの利用履歴や、パパ側の税務調査などによって発覚するということが多いようですね。
手渡しでも危ない?パパ活の脱税はどんな場合にバレる?
SNSのやり取りを見られている
パパ活はSNS上でも交渉が行われていることは多いですが、犯罪の温床となることもあるため、様々な捜査機関が監視している事例もよく見られます。
その中には税務署もあり、特に匿名性が低いアカウントで、直接的な金銭のやり取りに関する発言などが多いとチェックされている可能性があります。
お手当を銀行振り込みでもらっていた
税務調査において、銀行でのお金の流れをつかむのは基本でもあります。
銀行は一般的に個人情報を他者に漏らすことはありませんが、捜査権限を持つ警察や行政機関に関しては、しっかりとした手続きを踏んでいればその限りではありません。
特に高額の脱税などに関しては、銀行を通していて隠せるということはまず無いでしょう。
パパ活アプリ・サイトなどに税務調査が入った
もしもパパ活アプリ・サイトなどを存分に利用しているならば、そこから調査が進むこともあります。
税務署はこうした記録に残らない金銭のやり取りがありうる世界には監視の目を光らせており、パパ活アプリやサイトに対して調査を行うこともあります。
運営側には利用者の本名や住所などもあるので、そこから発覚します。
知り合いに通報されている場合も
あまりにも高額のやり取りを吹聴していると、それを聞いた身近な知り合いから匿名の通報をされてしまうこともあります。
理由としては妬みや人間関係での恨みなど、またパパ側からの通報といったケースもあります。
税務署では常に匿名の通報を受け付けているので、どこから情報が漏れてしまうかわかりません。
複数のパパと付き合いがある場合にはどうなる?
お手当をくれたパパが一人でも、複数の場合でも基本的に違いはなく、本人が得た収入の合計額によって税金が決まります。
たとえば以下のような3つのケースがあるとします。
ケース1・パパAから80万円、パパBから50万円 ケース2・パパAから50万円、パパBから10万円、パパCから20万円 ケース3・パパAから30万円、パパBからブランド物のバッグ(50万円相当)、自動車(500万円相当)
この場合、贈与税の観点から見ると年間の合計額が110万円を超えているケース1とケース3に税金がかかります。
ケース2は人数は3人いますが、合計額は年間110万円を超えていないため贈与税の対象とはなりません。
また、ケース3は現金は少ないですが、バッグや自動車の贈与が大きいため対象となります。
パパの人数が多いほど合計額が110万円を超える可能性は高くなるので、物の場合も含めて一人当たり35万円程度に抑える必要があるわけです。
もしもパパ活で脱税しているのがバレたら?罰則と罰金について
延滞税
延滞税とは本来納税すべきだった期日を過ぎている場合に加算される税金です。
本来の期日から過ぎるほど金額が上がり、期日の翌日から2ヶ月以内の場合は年率2.4%、2ヶ月を超えると年率8.7%で計算されます。
計算式は「未納税額 × 年率 × 延滞日数 / 365日」となります。
無申告加算税
無申告加算税とは、税金を申告しなかったことに対して与えられる罰則で、税率は税務署の調査がどこまで進んでいたかという状況によって変わります。
税務署の調査が入る前に自ら申告した場合には「5%」、税務署の調査によって発覚したが、悪質ではないと判断された場合には「15%〜20%」、税務署の調査で発覚し、なおかつ悪質と判断された場合には「40%」が、未納金に乗算されます。
取られる税金の合計はどのくらいになる?
いわゆる脱税の場合、課される税金は上記の「延滞税」「無申告加算税」両方の合計となります。
つまり脱税額が大きければ大きいほど、そして発覚する時期が遅くなればなるほど金額は膨れ上がり、儲けていた分だけ高額の税金を払うことになります。
パパ活で得た収入もくれぐれも誤魔化すことのないよう、きちんと申告するようにしましょう。
確定申告のやり方について
確定申告は毎年2月15日前後から3月15日前後までが申告期間となっています。
曜日やコロナ禍などによる特別措置などで異なる年もあるので、毎年確認しておくことをおすすめします。
方法は既定の書類に手書きで書きこんで税務署に提出するか、e-TAXでインターネットから申告するなどがあります。
また確定申告の書類作成に便利なサービスも色々と用意されているので、検討してみてください。
何もわからない、面倒くさいという人は、有料になりますが税理士にすべて任せることも可能です。
パパ活で節税するためには?
1年間のプレゼントが合計110万を超えないように計算する
ここまで解説してきたように、パパ活で適用される可能性が高いのは贈与税です。
現金以外のプレゼントでも、贈られた時点での価格の合計が年間110万円を超えると課税対象となります。
もらったプレゼントの価格について把握し、あまり高額なものは受け取らないようにすることも大切です。
単純計算すると一か月に9万円程度に抑えれば贈与税はかからないので、もらったものはメモしておくようにすると良いでしょう。
パパ活にかかった経費を計上する
また所得税の場合、必要経費を計上することで税金の額を減らすことも可能です。
必要経費とはその収入を得るために使った経費のことで、パパ活で言うならば、たとえばアプリや連絡などに使った「通信費」。
パパ活のために必要だった「衣装代」や「化粧代」、待ち合わせのための「交通費」なども経費として計上できる可能性があります。
判断は税務署に委ねられるので何もかも認められるかはわかりませんが、収入のために必要な経費だと考えられるならば、計上してみましょう。
まとめ
男性とデートをすることで収入が得られるパパ活は、その手軽さから気になっている女性も多いと思います。
しかし高額のプレゼントや収入があり、それを申告していないと脱税を疑われる可能性もあります。
確定申告をし、必要な税金はきちんと払うようにしましょう。